歌手のオーディションは、まずは書類選考に始まり、自己PRと実技の披露を行うのが一般的です。稀に、デモテープだけ、またはライブをみてスカウトの形で、歌手デビューにこぎつける方もいるのですが、自己PRは、デビュー後も必要になってくるため、自己PRを要求する事務所は多いです。
そこで今回は歌手オーディションの自己PRにおいて、3つの例文を紹介しつつ、一体何を書けば良いのか、どのような書き方があるのか、そして審査員は自己PRの一体どこを見ているのか詳しくまとめてみましたので、是非ご一読ください。しっかり自己PRについて知識を付けることで、歌手だけでなく、どのようなオーディションにだって通用するはずですよ。
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歌手オーディションの内容とは?
先ずは、歌手オーディションが、どういった流れで進んでいくのかをおさらいしましょう。一度オーディションを受けたことがある人にとっては不要な情報かもしれませんが、これからオーディションを受ける人の為に、大まかではありますが解説をしたいと思います。
オーディションは2つに大別される
歌手オーディションには、大きく2つに大別されます。1つは、レコード会社が募集しているもの、もうひとつは、プロダクション(事務所)が募集しているものの2つです。
プロダクションとレコード会社では、求める人物像が異なるのですが、オーディション自体の流れはそれほど差がありません。ですので、次の段落からオーディションの流れについて説明したいと思います。
一般的な歌手オーディションとは?
まず、書類審査が待っています。書類審査にも自己PRを書く場合が多いです。また、書類審査を乗り越えないと、次に進むことが出来ません。
多くの応募者は書類審査でふるいに掛けられ、「あ、この人と仕事したいな」と思わせた書類のみ、次の面接で改めて自己PRがあり、また実技である歌唱力の審査が待っています。
ここで重要なのが、書類審査では音源の入ったデモテープの提出が求められるということです。つまり、ある程度録音に詳しく、自分の歌唱力を最大限に引き出したものを書類に添付する必要があるということです。
ここで注意したいのが、デモテープの”つかみ”です。デモテープ審査は、5秒で終わるとも言われるほど短いのです。沢山の応募があるのですから、審査員もサビまで聞いている暇がありません。
ですから、最初の段階からいわば、”魂を込めて歌う”必要があるでしょう。また、録音レベルが低いのもマイナスポイントです。通常は、自宅に録音設備を用意して、デモテープ作りを行います。デビュー後も、自宅の録音設備を使うことは日常茶飯事ですので、この投資を惜しんでは勿体ないでしょう。
そして、日々録音して納得いくようなデモテープが出来れば、自信を持って自己PRに進むことが出来るでしょう。最終審査で、オーディションが求めている人材が見つかれば合格となります。ちなみに、歌手オーディションの倍率はかなり高いと言われています。
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そもそも、自己PRとは?
ここで原点に立ち返ってみましょう。自己PRとは自分の強みをアピールすることです。いわば”自分のCM”です。自己PRと聞くとなんだかイメージしにくいのですが、CMと言われると、演出方法など、何だかイメージが沸いてくると思いませんか?アーティストには歌唱力や外見だけでなく、人間性も見られるようになってきました。
書類審査の自己PR6つ
文字通り、書面におこした自己PRです。書類審査の自己PRには、ポイントがいくつか存在します。まず筆頭に挙げられるのが、これまでの経験です。では、順番に見ていきましょう。
(1)これまでの経験
ライブハウスでの活動回数や、ネット配信なども評価の対象となります。また、数字を用いて、小学4年頃から歌手として活躍することを夢見て、ボイストレーニングに通った、などと添えると良いでしょう。
(2)自己分析と、セルフプロデュース
アーティストとして活躍するには、セルフプロデュースが出来る必要があります。自分には何が出来るのか、自己分析を行い、尚且つ自分自身で自分をプロデュース出来ることをアピールしましょう。
最近は、SNSのフォロワーが何人いるかも重要となってきました。他には、YouTubeの再生回数が何回を突破したのかも見られるようになっています。
もし、納得いく結果があるなら、書面にてそのことを記し、リンク先を書いておくと良いでしょう。ライブの平均観客動員数も参考になります。
(3)将来の夢、目標
これまでの経験や、自己分析を土台にして、それを将来にどう生かしていくのか、これからどんな活動をしたいのか、いわば”どんなアーティストになりたいのか”をハッキリさせておく必要があるでしょう。
「3年かけて日本武道館を満員にさせる」などと、少し大きな夢を描いてもいいでしょう。前向きに活動でき、心身ともに健康であることもアピールするポイントになります。
(4)書類審査では、自己紹介と自己PRは別物
自己PRを書いているつもりが、自己紹介になっていませんか?応募前にきちんと確認してみましょう。自己PRでは、自分の強みや、得意なことなど、良い部分を書く必要があります。自分を売り込むつもりで書類作成に当たりましょう。
(5)特技や趣味は絞る
趣味や特技は書きやすい項目の為、あれこれと書きがちですが、1ないし2個程度までで、深堀した方が良いでしょう。
深堀することでアピール力(あぴーるりょく)が高まります。沢山の特技を浅く紹介するよりも、少ない特技をきちんと書くことで審査員に高評価されます。
(6)読みやすい文章を心がける
自分では見て分かる文章でも、赤の他人が読んですぐ分かる文章になっていなければなりません。ですので、「あれ、これ、それ」といった抽象的な文章は避けた方が良いでしょう。
また、字も綺麗に書くことが必要となります。読みづらい自己PRは、それだけで読んでもらえないことがあるので注意しましょう。
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歌手オーディションでの自己PRの例文を3つご紹介
自己PRを例文でご紹介します。具体的にイメージしやすい文章を心がけましょう。
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例文1
趣味は野菜を使った料理です。野菜を沢山食べることで、体調をコントロールして、体型にも気を遣っています。スーパーの特売では、お得な食材から選ぶようにして、浮いたお金を音楽制作活動に結びつけています。
先日は、黒字だったので、マイクを新調しました。新しいマイクの使い方はまだ慣れませんが、これから歌いこんで、自分の強みにしたいと思っています。
例文2
歯列矯正を行い、歯もホワイトニングをしているので、歌った時に、見栄えが良くなるように心がけて歯磨きをしています。そして、笑顔にも自信があります。
歯を見せるほどの笑い方ではなくとも、自然な笑顔で、周りの人を盛り上げることが出来ます。目標は、こんな人になりたいな、と思ってもらえることなので、普段の生活から謙虚さを忘れず、良いと思ったことはどんどん取り入れて、吸収していく柔軟性も持っています。
例文3
ものまねが得意です。○○さんのような歌声を出すことが出来ます。キッカケは、憧れていたことと、自分の声を録音して聞いた時に、「ちょっと練習すれば近付きそうだ」と思ったことです。
実際に、何度も再生・練習を繰り返し、本格的にマネが出来るようになりました。モノマネタレントになりたいわけではないのですが、色々な声を出して自分の声帯をコントロールするために、練習を重ねました。ライブでも、MCでちょっとした笑いを取れると思います。
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自己PRで審査員は何を見ているか
審査員は、自己PRで何を期待しているのでしょうか。審査員が期待していることをきちんと把握していると、より合格が近づきます。では、3つのポイントを見ていきましょう。
音楽業界で活躍する能力があるかどうか
音楽業界も、芸能界の一部です。事務所にもよりますが、テレビなどに映った際に、視聴者に好感を持ってもらえるような自己PRが出来ているかがポイントになります。
二次審査では、こういったバラエティ番組でも、変に格好つけずに、素直にコメントがやり取りできるか、”コミュニケーション力”を重視しています。
中でも鍵となるのが、その事務所の目指す方向にあなたが合致するかどうかです。自己PRでは、事務所が求めている能力を持っているかどうかを見られます。
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自己PRの信憑性
自己PRは、盛りがちで、誰しもが、実力よりもちょっと高いレベルの話を書類に記す傾向があります。ですので、二次審査では、書類を元に、アピールの根拠となっている体験やエピソードを聞かれることがあります。
ですから、自己PRには嘘を書いてはいけません。どこかでバレてしまいます。何を質問されても返答が出来るような自己PRにする必要があるでしょう。
また、それらの経験などが、将来どう活かせるのか、本人であるあなた自身も、どうしたいと思っているのかを審査員は見ています。
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純粋にあなたについて知りたいと思っている
これが最も重要かもしれませんが、あなた自身が、自分を知っているかどうかを見ています。自己PRを通して、あなたの人となりを知りたいと考えているのです。
ですから、書類には、あなたがどんな人なのか、分かりやすい文章で書く必要があるでしょう。面接の、質疑応答は練習しておきましょう。
また、事務所の先輩方の特徴などを鑑みて、どういった人物を求めているか考える必要があります。どのプロダクションも、色が似通った歌手を採用する傾向にあります。それがプロダクションの強みだからです。
かといって、あなたの個性が発揮されないのは論外です。自分の強みの研究と、応募したいレコード会社ないし、プロダクションの傾向を研究する必要があるでしょう。
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今回のまとめ
自己PRについて具体的に紹介しましたが、何となくイメージは掴めたでしょうか?プロダクションやレコード会社は、あなたに対して興味を持っています。
その興味を、「興味津々」というところまで持っていく必要があるのです。既に所属している先輩方を見ると、どんな人物像を求めているのか、把握しやすいです。
自分の能力が発揮できそうなプロダクション等を選ぶことも大切です。何故なら、長い音楽人生において、プロダクションと仲が悪くなってしまっては元も子もないからです。
そして、謙虚さも忘れてはいけません。自己PRでは、自分を紹介する必要がありますが、自慢話にならないように注意しましょう。ですから、話し方にはちょっとコツがいります。
大事なところはゆっくりと話し、これからの目標を語る時に謙虚さも取り入れて話すと良いでしょう。また、憧れる歌手を尋ねられるときがありますが、憧れている歌手・グループ名には必ず敬称を付けましょう。
そういった細かい配慮が、今後の芸能生活では大事になってくるからです。審査員はあなたについて知りたいと思ってくれています。その気持ちを大切にするようにしましょう。
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