日本が誇る、世界的にも大変有名となった劇団、『劇団四季』。その名はブランド化されており、「ライオンキング」や「CATS(キャッツ)」「オペラ座の怪人」は知っている方もとても多いはずです。
また芸能界でも『劇団四季』を卒業・退団した俳優をはじめ、海外などでも活躍しているダンサーや講師、振付師など、多くのアーティストを数えきれないほど輩出しています。そんな世界的ブランドともいえる『劇団四季』入団オーディションに受かる人、募集コース、オーディション内容などを非公式情報として、分かりやすくご紹介していきます。
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『劇団四季』について
1953年に学生10名ほどで設立された、小さな「学生演劇集団」から始まったそうです。そんな小さな劇団は今や700名以上の俳優が所属している大きな劇団に歴史を積みながら成長したといえます。
現在では、東京・大阪・名古屋・福岡・札幌を中心に、専用劇場が設置されていて、年間3,000を超える公演を行っており、その数は1日にして9~10公演ともいわれています。
設立して間もない頃の上演は仮設テントから始まり、現在では誰もが知っている「CATS」「ライオンキング」「オペラ座の怪人」だけでなく、「アラジン」「リトルマーメイド」などのディズニー作品にも手を広げ、ファミリーミュージカルとして幅広く公演をおこなっています。
年間観客動員数は、リピーターも含め約300万人といわれ、日本にミュージカルを定着させるほど大きな役割を果たしたと言っても過言ではない劇団といわれています。
また日本だけでなく、海外でも『劇団四季』は大変注目されており、現在ではブロードウェイなどでも舞台も公演し、世界中から評価され続けている劇団といえます。
ーお客様と共に「舞台の感動」と「喜び」を分かち合うー
―「人生の感動」「生きる喜び」を届けたいー
良質な舞台作品を世に送り出すのが『劇団四季』メンバーのモラルとされています。お客様に「喜び」や「感動」を伝える、届けるために、厳格な実力主義を貫いていると謳うほどです。
有名人や知名度の高いスターをキャスティングすることはなく、観客を感動させる技術と能力でキャストを選ぶことを最優先にしているのです。日本最大ともいわれる観客動員数は『劇団四季』のモラルを持った劇団員1人1人の日々の「努力」と「感動」を生み出す技術でつくられています。
劇団四季オーディションの開催時期はいつ?
劇団四季でのオーディションは常時募集というわけではないようです。過去年に1回の年もあれば、劇団四季の公式ホームページなどでコースを限定して募集される場合もあるようです。
例年のオーディション開催時期をみていると、夏~秋にかけて募集をかけ、10月・11月にオーディションを行っていることが多いようで、入団を希望する方はしっかりと公式ホームページやオーディション告知サイトなどでチェックをしておくのがおすすめです。
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劇団四季オーディションの応募前に知っておきたいこと
劇団四季のオーディションを受ける上で、最も重要といえる『応募資格』ですが、こちらは「性別・国籍不問(※研究生は25歳以下のみ)」となっています。ですが、誰でも応募できるというわけではなく、注意書きとして、
※毎週月曜日~土曜日まで朝10時からレッスンがありますので、全日制の学業との両立はできません。
※クラシックバレエコースは、ポワント(バレエを踊る時に履く靴。別名:トゥシューズとも呼ばれることもある)の履ける方のみ選択可。
※研究生は指定された年の指定された1年間入所可能な方。
…とされています。実際にオーディションに合格すると、毎週月曜~土曜日までレッスンプログラムがしっかりと組み込まれており、実力を磨いていきながら出演を目指すという仕組みになっています。
劇団四季の募集コースには5つある
劇団四季 オーディションに応募するには、この5つの部門の中から選択するかたちとなります。
①ヴォーカルクラシック
②ヴォーカルポピュラー
③演技
④ジャズダンス
⑤クラシックバレエ
応募時の書類審査の時点で、「ジャズダンス」と「クラシックバレエ」コースについては1~2分程度のダンス動画の録画をしたものを添付しなければならないなどのコースによって応募時の取り決めがあるものもあります。
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さらに募集部門を2つから選んで応募する
『一般』部門
ー劇団メンバーー
世界的な大型ミュージカルの数々や劇団四季オリジナルミュージカル、ストレートプレイ(芝居)など、多岐にわたる上演演目の全てに出演チャンスがある。
1年を通じて、安定的な収入を得ながら、やりがいをもって様々なジャンルの舞台にのぞむことができる。
ー演目契約メンバーー
出演する演目や期間を限定して契約をし、他劇団やプロダクションに所属しながら出演することも可能。より専門的で高い能力を求められる。また劇団メンバーと同様に一流の講師陣のもとレッスンを無料で受講することができる。
『研究生』部門
1年間、劇団四季研究所の生徒として、個人の能力に合わせ、カリキュラムに沿った様々なレッスンを受講することができる。研究生は卒業試験があり、合格した方だけが晴れて、劇団のメンバーになることができる。
それぞれの部門をみてみると、「劇団メンバー」「演目契約メンバー」は即戦力とされていて、早くに舞台に立てるような、高い技術や能力を求められます。「研究生」は将来的に劇団四季メンバーとして舞台に立つ可能性を持っており、夢に向かって努力できる人材が求められています。
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劇団四季オーディションの競争率(倍率)
過去の応募状況、合格者数を振り返ってみると、2015年公表されているデータでは、応募総数864通に対し、書類審査を通過したのは204名。さらに予選を通過し、本選へ進んだのは102名。この中から研究生として合格した人数は不明とされています。
また2016年は応募総数、約1,250通の中から、約250名が書類審査を通過したようですが、実際に本選へ進んだ人数は公表されておらず、未公開となっています。
劇団四季では公式での倍率や合格率についての公表はありませんが、この記載のある年などを含め、公表されている年の応募総数から計算されているデータから、一般的に劇団四季 オーディションの倍率は30倍~40倍の競争率といわれているのが現状です。
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劇団四季のオーディションに受かる人とは?
どんな人が、この劇団四季 オーディションに合格しているのかを調べたところ、まず書類審査である程度絞られてしまう点に着目します。
ちなみに応募する際に「有名なプロダクションに所属しているから」「舞台経験があるから」といって劇団四季 オーディションに受かるということはありません。
劇団四季では完全実力主義となっているので、実際に配役で主役クラスに選ばれたとしても、その後配役にふさわしくないと判断された時点で、容赦なく切り落とされてしまうのが劇団四季のシビアなスタイルです。
過去に、2010年の劇団四季 オーディションの応募総数は1,600名、うち厳正なる書類審査の時点で400名に絞られているというデータもあります。
つまり4分の1がこの書類審査の時点で落とされてしまうということになります。芸歴があって書類に記載できたとしても、劇団四季では単なる経歴の一文に過ぎず、実際応募する人が劇団四季の作品に必要な人材となるかどうかで判断される、というのが現状です。
まずは書類審査を通過すること。そのために劇団四季のスタッフの目に止まるような提出物にしなければなりません。これが劇団四季 オーディションに受かる人になるための、最大の近道になるといえます。
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書類審査に提出する音源には重要な意味がある
書類審査に提出する応募書類の1つとして、歌・台詞を録音したCDまたはMD音源の提出が必須となります。これは応募者全員の提出が定められています。
まず、この提出する音源が音声データなどではなく、CD・MDと限定されている理由として、CD・MD音源ではアナログ録音だからとされています。
劇団四季では、いかに応募するその人の素材そのものをみているかという事と、同時に演劇をする上で重要とされる、いわゆる“声をつくっていないか”をみていると言われています。
いくら応募者に経歴があって歌を上手く歌えても、変に声を作ってしまっているのであれば、それがもし劇団四季の基礎とは違っていれば、入団してからつくり直すというレッスンがさらに必要になってしまいます。
劇団四季からオーディションの応募者に求められているのは、上手く歌うことではなく、「着飾らず、発声の基礎と、応募者特有の声の素材を見せる形」が提出する音源のベストだといわれており、これもオーディションに受かる人の特徴に繋がると言われています。
台詞音源に関しても、感情は重要ではなく「抑揚をつけずに、しっかりとお腹から声を出せているか」がポイントと、実際に合格された方が語っている場面もあります。
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劇団四季のオーディションに受かる応募書類の書き方
劇団四季のオーディションに提出する応募書類は公式ページのPDF「履歴書・芸歴書」をダウンロードをして記載し、送付する形となっています。この履歴書・芸歴書は大変重要で、書類審査時に細かく劇団四季側でチェックをしているといわれています。
現に合格者の方で、1回目の提出で書類審査で落ちてしまった経験があった方が、2回目の応募の際に「履歴書・芸歴書」を1回目の応募と記載内容はほとんど変えなかったものの、細かく伝えるように細心の注意をしながら書いたものを提出した際、書類審査を通過し、見事に劇団四季のオーディションに合格したという方もおられるのです。
応募する際の書類審査の時点で、その人の書き方、そして相手への伝え方をみているということにもなりますので、提出する書類はしっかりと丁寧な字で、そして見てもらうスタッフの心に想いを伝えられるような記載をするのも劇団四季のオーディションに受かる人への第一歩となるでしょう。
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劇団四季のオーディションにかかる費用
オーディションを受ける際に気になる受験費用ですが、受験料は0円となっています。(応募書類送付時の切手代などを除く)
書類審査に通過しなけれ0円で済みますが、書類審査に合格し、実際の審査を受ける場合の2日間の交通費・宿泊費などについては自費負担となっています。
劇団四季オーディションに受かるということ
晴れて厳しい審査をくぐり抜けて選ばれ、合格し、そして入団することができれば、頑張り次第で舞台のスポットライトを浴びて活躍するというチャンスが掴める、そんなスタートラインに立ったといえます。劇団四季では「観る天国・やる地獄」という言葉がよく言われます。それほど合格後のレッスンやトレーニングは大変なのです。
配役も団員の中からオーディションで作品ごとに決められ、主役として舞台に立てるのは一握り。夢を諦めず、追いかけ続ける人たちが集まっている中で、どれほど自分がその中で輝けるのか、自分に勝つことができるのかという強い気持ちを持っていなければ、劇団四季のレッスンプログラムは続けられるようなものではないと言われています。
過酷な毎日のレッスンをこなし、掴んだステージから見る景色は、努力を積んだ人にしか見られない特別なものでしょう。ですが、世界が認める劇団四季のレッスンを受けることで、劇団四季の舞台だけで活躍するのではなく、将来の活躍の場を広げるというステップに繋げている方も沢山いらっしゃいます。
劇団四季出身の俳優・女優は数知れません。例えば、鹿賀丈史さんは劇団四季の児童向けミュージカルにも出演をし、1980年に退団をされたものの、現在もドラマ・映画・舞台と活躍を続けておられます。
現在、世界的にも有名な舞台「ミス・サイゴン」でも出演を続け、数々の作品に出演をし、今なお活躍を続けられている市村正親さんも劇団四季出身の俳優の一人です。「オペラ座の怪人」でも主演をされ劇団四季の看板俳優でした。(1990年に退団)
その他にも大和田伸也さん、川崎麻世さん、石坂浩二さん、前田美波里さん、加賀まりこさんといった名高い俳優の方々をはじめ、劇団四季団員として演劇レッスンや舞台経験をされ、現在も多方面で活躍の場を広げられている方は沢山いらっしゃいます。
今なお活躍されている劇団四季出身の方々の多さから見ても、劇団四季のオーディションに受かる、そして劇団員として沢山のレッスンや経験を積めるようになるということは、演劇界のみならず、ドラマ・映画・ダンスなどの幅広いエンターテイメントの場において必要とされる人材になれる、そんな輝ける大きな近道になると言えるでしょう。
是非、当記事を劇団四季のオーディションに受かる人になるために参考にし、後は覚悟を持って応募に挑戦して下さい。何でもかんでも努力すれば夢が必ず叶うというわけでは無いのかもしれませんが、努力は自分を裏切らないということもまた事実なのですから。
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