「ナレーターになりたい」と漠然と思ったものの、一体どうすればナレーターになれるのか分からないという方はいませんか?そんな方へ、今回は将来的にナレーターになりたいと思っている初心者(未経験者含む)の方向けの記事になります。果たして初心者のためのナレーションの上達法というものはあるのでしょうか・・・?

…安心して下さい、その答えは『YES』です。また、上達法にも含まれる事柄ではありますが、ナレーションをするにあたって、ちょっとしたコツ等を紹介したいと思います。普段から気を付けるべきことや、ナレーションを学べる専門学校や養成所についても紹介したいと思いますので、合わせて是非参考にしてみて下さい。

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ナレーションの基礎

ナレーション コツ 初心者 上達法

どうしたらナレーションが上手く聞こえるのでしょうか?意外と見落としがちなのが音量とマイクの感度です。声の小さい人は、マイクの感度を上げればいいかというと、そうではありません。

窓から聞こえるような生活音が混入したり、自分の舌の動きや息遣いまで録音されてしまい、ベチャベチャと汚いナレーションになってしまうからです。ナレーターは厳しい世界で、クライアントから一度NGを貰ってしまうと、次のお仕事を貰えなくなってしまう世界です。

汚いデータを小刻みに編集することで綺麗にすることは可能ですが、仕事の依頼が来て、無名な内にコストが掛かる方法を敢えてやることはまずありません。

ナレーションの心構えとしては、少し大きめの声を自然に出せるようなレベルまで持っていく必要があります。マイクとの距離も研究する必要があります。

また、滑舌は非常に重要です。まずは、自分の声を録音してみましょう。最初はスマホなどのボイスレコーダー機能で構いません。

原稿は、やっていく内に得意なジャンルや苦手なジャンル等が出てくるものですが、初心者の内はまだ何が得意なのか分かりませんので、手始めにネットニュースなど、好きな原稿を選び、録音して聞いてみます。

後述しますが、NHKはナレーションの優良なお手本の宝庫です。お手本と自分のナレーションを比較すると、自分の声にびっくりして、恥ずかしくなってしまうことも非常に多いものです。

実は、この録音・再生を繰り返すことが後々重要になってきます。声は、発声方法次第でガラっと変えることが出来ますので、正しいトレーニング方法で自分の弱点を克服しましょう。

ナレーションにおいて難しい発音は何?

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「いきしちに、ひみいりい」「イ段」は、はっきり発音しないとモヤモヤしがちで、かといって意識し過ぎると、息がマイクに入ってしまい汚くなりがちになってしまう段です。なので、口は横にしっかりと開きましょう。

また、「えけせてね、へめえれえ」「エ段」も、少し舌を持ち上げることで、随分と聞きやすくなるものです。今度は段ではなく行ですが、「サ行」は、生まれつき苦手という人が多いです。

舌が出過ぎていると、甘ったれたような汚い発音になりますので注意しましょう。「タ行」は、発音するときに前歯に少し舌が触る感じにします。大きい声を出すと、タ行は息が漏れやすく、人によっては唾が飛ぶこともあります。録音して確かめながら、ボリュームを調整しましょう。

「ラ行」は、舌を口の上に少しこするようにして発音します。舌を強めに動かさないと、発音がこもるので注意しましょう。滑舌は筋トレのようなもので、やっていくうちに上達しますので欠かさずトレーニングするようにしましょう。

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収録環境のために予算を確保して揃えたいもの

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ナレーターはスカウトがありません。自分でボイスサンプルを作成し、提出が求められることも非常に多い世界です。仕事の中には、ボイスデータの納品だけ、ということもあります。…というわけで、ボイスサンプルを作るには、自宅に録音設備を整える必要があります。

最初はスマホやボイスレコーダーで“なんちゃってナレーター”でも良いのですが、真剣にナレーターになりたいのであれば、自宅には以下のアイテムを揃えておく必要があるでしょう。

  • 自分に合ったマイク
  • オーディオインターフェイス
  • パソコン
  • 鳴りの良いスピーカーまたはヘッドホン(スピーカーとヘッドフォンは両方ある方が望ましいです)
  • 編集ソフト

これらの設備投資を行ったうえでの録音・再生を繰り返して練習した方が上達も早いです。スマホなどの簡易録音で自信が付いてきた人も、きちんとした録音設備で録音再生すると、今まで気付かなかったアラが目立って分かるものです。

プロとして活躍するのであれば、トレーニングも兼ねてボイスサンプルを作れる環境を整えることは非常に重要なのです。

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コツと上達法その①【~抑揚編~】

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文章を読むに当たり、抑揚を付ける必要があるのですが、素人は普段のしゃべり癖が付いていて、不要な抑揚を付けていることが多いものです。

「富士山は日本一高い山です」という文があったとしたら、主語の「富士山」に加えて、述語の「日本一高い山」に焦点を当てて強調する必要があるでしょう。この時、助詞は上げてはいけません。

「富士山はぁあ~↑日本一↑高い山です」と言うのは、例外はありますが、初心者がやりがちな悪い読み方となっています。また、テンポに乗ってリズム良く話す方もいますが、「節回し」といわれ、悪い読み方の一つです。

不必要なところで単語を伸ばして発音したり、抑揚を付け過ぎると変な節回しが出てしまい“ナレーションが悪く”なります。

また、語尾も上げがちですが、文章によって使い分ける必要があります。語尾を上げると明るいイメージになり、語尾を下げると暗いイメージになります。

もちろん、上級者になってくれば使い分け出来るのですが、初心者の内は民放ではなくNHKのナレーションを参考にすると良いでしょう。

番組を録画して、モチベーションの沸く部分の原稿を書き出し、音を消して録画したビデオを再生しながら、あなたが声をあてます。その声を録音し、再生してお手本と比べてみましょう。初めは3~5分程度の原稿(動画)からスタートすると良いでしょう。

アニメなどでは『アフレコ』とも呼ばれますが、動画に合わせながら、適切なボリュームとスピードで原稿を読むのが難しいことがすぐに分かります。

再生して自分の声を聴いて、聞き取りやすいかどうかを確認します。聞き取りにくかった部分にはマーカーを引いて練習する等して、同じ原稿を繰り返し練習すると良いでしょう。

まずは、お手本に限りなく近付けます。あなたの個性は後々出てきますので、まずは焦らず録音・再生と反省を繰り返すことです。

コツと上達法その②【~発声編~」

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こちらを先にご紹介した方が良いのかもしれませんが、そもそもの発声の仕方をご紹介します。基本的に、腹式呼吸を身に付けてハッキリと発声する必要があります。腹式呼吸は、肩が上がらず、下腹部と背中まで膨らむのです。

寝ている時は自然と腹式呼吸になりますので、まずは寝そべって息を吸って吐いてを繰り返し、背中とお腹に手を当てて、きちんと膨らんでいるか確認しましょう。腹式呼吸が出来るようになったら、次は声のトーンの使い分けの練習です。

先述の通り、明るいイメージの原稿読みをしたい場合は笑顔で話すと自然と明るくなり、夕方のニュースのような落ち着いたトーンは、真顔で話すと落ち着いて話すことが出来ます。使い分けも非常に重要ですので、これも録音・再生します。適切な原稿選びも重要です。

話し方の改善方法ですが、声をハッキリと出す必要があります。腹式呼吸が出来るようになると、自然と声にハリが出てきます。これも、録音再生を繰り返して、自分の声がボソボソしたものから、ハリのある声になっているかを確認しながら練習すると良いでしょう。

口は大きく開け、舌もきっちり動かします。先にご紹介した「タ行」等の舌の動きに加えて、今度は唇の動きも重要になってきますが、唇の動きを練習するには「パ行」「バ行」が向いています

「カ行」は舌が引っ込むので、「パ、タ、サ、カ」と繰り返して発音すると良いでしょう。また、練習しても声に満足いかないこともあると思います。

声の出ない原因ですが、加齢によるもの、日常の話し方(訛り含む)、疾患によるもの(声帯ポリープや機能性発声障害等)、ストレスによって起こる心の病気によるもの等、人によって様々あります。

また、声を出す職業(ガイドや、教師、お坊さん等)も、話し方に独特の癖が付きやすいので注意が必要です。ストレスに依る場合は、アロマや半身浴等、リラックスする方法を身に付けるか、重度の場合は心療内科等に通って直す必要があるかもしれません。

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ナレーションでの訛りを抜くためのコツ

上記は滑舌が良くなる動画の一つとして、関西弁の人向けの動画です。母音を抜く」方法、加えて、「です、ます」のスッキリした話し方等が紹介されています。

訛りは中々自分では直し辛いので、養成所や専門学校に行く必要がありますが、探せば、このように動画で学ぶことも出来ます。

『ナレーター』『ボイスサンプル』というキーワードで検索すると、簡単に様々なナレーションを聞くことが出来ます。

中には、100万回以上再生されている山寺宏一さんのボイスサンプルもありますが、これほどまで声を使えるようになるまでには道のりが長く、真似しようとしても、がっかり結果になってしまいかねません。

なので、再生回数でボイスサンプルを選ぶのではなく、聞いていて「これなら真似できるかな」「真似したいな」という“モチベーションの沸くボイスサンプル”から始めましょう。多くのボイスサンプルが標準語です。

真似すると自然と訛りが抜けていくでしょう。東北の方も、津軽弁などはイントネーションを標準語に近付けるのに苦労すると思いますが、筋トレと同じで、繰り返して練習することで訛りは抜けていきます。

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ナレーターへの近道を歩みたい方は

ナレーション コツ 初心者 上達法

ナレーターになるには、一般公募でいきなりデビューを目指す方もいますが、普通は合格しません。何故なら基本的に経験者がライバルであることがほとんどだからです。そのため、オーディションが多い世界では、メンタルも強く保つ必要があります。

残念なことに独学では限界があり、どこかで指導をしてもらうのが一番の近道です。ボイススクールももちろんオススメですが、どちらかといえば声優の養成所や専門学校に通うのが望ましいかもしれません。

ボイススクールも、声の出し方を気軽に学べるのですが、習い事止まりで終わってしまいます。あなたが本気なら、週一から通える養成所などできっちりとレッスンを受けましょう。専門学校は平日みっちりと授業があり、その分上達も早くなります。

さらに、初心者でも入れるようになっており、将来所属したいプロダクションのオーディションを選べる(オーディションが複数回あり、提携するプロダクションも多めの)仕組みになっています。

それに対し、養成所は入所にあたり、ある程度の実力が無ければ入ることが出来ず、オーディションがある場合がほとんどです。つまり、入所する云々の前にオーディションで落ちる場合があるのです。

養成所はプロダクションに付随して運営されており、将来所属するプロダクションは、あらかじめそのプロダクションと決まっています。

養成所のメリットは多くが週一から通えて仕事や学業と並行して通えるのが魅力です。しかし、気を付けたいのが、養成所や専門学校に入ったから必ずプロダクションに所属できるわけではないということです。

いずれもプロダクション所属になるには、『所属預かり』と呼ばれるオーディションを経る必要があります。それでは、次の項目からはオススメの専門学校と養成所の紹介をしたいと思います。

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その①【インターナショナルメディア学院】

国内外に多くの拠点を持ち、歴史は浅いですが今勢いのある養成所です。資料請求や説明会、体験セミナーも無料となっています。

また、年齢制限が無いのが嬉しいところです。自社コンテンツがあり、才能ありと判断されたら、即デビューできるのも強みとなっています。

ネットで学べる『つうしん部』というコンテンツがあり、無料で基礎を身に付けることも出来るので、一度は利用してみたいサイトの一つに挙げられるでしょう。地方校から東京校への転校も自由(無料)となっています。

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インターナショナル・メディア学院についてはこちら

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その②【青二塾】

青二塾は歴史もあり、業界に強い声優養成所です。演技の稽古に重点を置いており、厳しいことでも有名ですが、実力が身に付くため、非常に人気のある養成所です。

レッスンの厳しさは業界随一とも評されています。周りの仲間が必死に取り組んでいく姿には、良い意味で大きく影響されることでしょう。

東京校のみ、養成所としては珍しい全日コースがあります。卒業するまでには110万円ほどかかるため、資金を蓄えておく必要があります。

入所に当たりオーディションがあり、オーディションには当然落ちる場合もあります。年齢制限も厳しく、28歳までとなっているようです。他の養成所と併願すると良いでしょう。

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その③【プロ・フィット声優養成所】

歴史は浅いですが、卒業生に有名な声優さんを何人か抱えています。校舎は東京のみで、年齢制限は中卒以上で上限が無いのが嬉しいところ。

週一のレッスンの養成所の中では授業料は少し高めですが、働きながら通える金額になっています。一方で、少人数制のため、未経験で合格するのは難しい養成所とも言われています。

プロ・フィット声優養成所も他と併願しておくと良いでしょう。本科の受験料は有料で、5,000円となっています。基礎科の受験料は無料で、一日3時間のレッスンで、入所金が10万円月謝が2万円となっています。

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その④【日本ナレーション演技研究所】

日ナレの愛称で有名な歴史ある養成所です。週一から通うことが出来ます。6つのプロダクションが運営しているため、将来はその中のどれかのプロダクションに所属(オーディションで合格した場合のみ)できるようになっています。

ジュニア声優クラスがあり、オーディションに受かれば早い段階から実力を付けることが出来ます。入所にあたり、上限年齢があり、40歳までとなっています。

過去には特待生制度がありましたが、現在は特待生制度は廃止されました。資料請求は無料となっていますので、まずは資料を取り寄せてみてはいかがでしょうか?授業料は年払い方式となっています。

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日本ナレーション演技研究所に関してはこちら

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その⑤【専門学校東京アナウンス学院】

専門学校です。ナレーションに近い学科に、放送声優科とアナウンス科があります。オープンキャンパスがあり、開かれた環境で学ぶことが出来ます。パンフレットは無料で請求することが出来ます。卒業生にはタレントの柳原可奈子さんなどがいらっしゃいます。

アナウンス科も、アナウンサー、リポーター、お天気キャスター、ラジオパーソナリティー、ナレーターと細かく細分されているので、専門的な知識を身に付けることが出来ます自由に選べる選択科目が充実しています。

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その⑥【専門学校アニメ・アーティスト・アカデミー】

こちらも専門学校で、ナレーターを目指せる、アニメ制作・声優総合理論科があります。2019年度は納入金が121万円(教材費別途)でした。

ナレーションは勿論のこと、アフレコボーカル演劇等も学ぶことが出来ます。アニメビジネスの基礎や制作知識も身に付けられるため、業界の仕事を深く理解することが出来ます。パンフレットは無料で請求できます。

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今回のまとめ

ナレーション コツ 初心者 上達法

ナレーションに必要な発声の仕方や、滑舌、文章の読み方等について紹介させていただきましたがいかがだったでしょうか。素人脱却のポイントもいくつか紹介しました。

繰り返しになりますが、自分の声を録音・再生して練習するのは当たり前の事です。出来れば録音設備を整えて良い環境で練習すると良いでしょう。

仕事の中には、ボイスデータのみ納品というケースも珍しくありません。ですから、録音設備を整えることはナレーターを目指すにあたって後悔しない投資の一つです。

オーディションでボイスサンプルを提出するケースも非常に多いです。また、仕事のほとんどが首都圏に集中していますので、地方校に通っていても、将来は上京を視野に入れておく必要があることも最後に付け加えさせていただきます。

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